デジタル歯科の治療内容はどうするの?差し歯編(クラウン)

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デジタル歯科の治療内容はどうするの?差し歯編(クラウン)

2022年11月30日│院長・スタッフ│

デジタル歯科の治療内容はどうするの?差し歯編(クラウン)

セラミック修復の基本は接着修復になるため、歯と修復物とのつなぎ目(以下マージン)の設定位置は歯茎の上(以下歯肉縁上)が接着の面でも有利とされている。
しかし日常臨床において差し歯(以下クラウン)の修復治療の多くは過去の差し歯のやり直しの場合が多く、その場合はすでにマージンが歯肉縁下に設定されていることが少なくない。
また歯肉縁上に健康な歯質が残っている場合でも、装着された金属のイオン溶出の影響などで歯質に変色が生じ、前歯や小臼歯の審美領域ではマージンを歯肉縁下に設定せざるを得ない場合がある

歯型取り(以下印象採得)にIOS(口腔内スキャナー)を用いる場合でも、支台歯形成、接着操作に関しては従来のセラミック修復と何も変わらないが、歯肉縁下マージンの印象(口腔内スキャン)を行う時は歯肉圧排が必要になってきます。
歯肉圧排とは歯肉と歯の間に細い糸を入れることでマージンを鮮明に見せる作業です。
スキャニングの際には、辺縁歯肉がマージンから離れていて、かつIOSから支台歯のマージンが明視できることが必要です。従来の印象材を用いた印象採得の場合は、印象圧によって歯肉溝がわずかに押し広げられることでマージンの印記が可能であるが、光学印象の場合はマージンに辺縁歯肉が接していると正確なマージン設定が困難になります。
最初に挿入したコードだけでは十分な圧排効果が得られない場合は、一段太いコードを追加して二重圧排法を用いて印象採得を行います。
クラウンを作成する時のIOSのメリットは口腔内の形状データを直接デジタルデータに変換できることです。
他にもすでに機能している入れ歯のバネのかかった歯(鉤歯)の差し歯(クラウン)が2次う蝕などの為再製作が必要となった場合、従来では鉤歯に新たな差し歯を入れた後に入れ歯の再製作がひつようとなっています。その際保険外の義歯の場合費用的に高額になる場合もありました。しかし治療前の鉤歯をスキャニングしてその形状データを用いて新しい差し歯(クラウン)を再製作することで入れ歯の作り直しを防ぐことができます。

また数本の印象をとる場合従来は一部分に不鮮明な箇所があると、印象全体を採り直すか、あるいは複数の歯型を用いた複雑な技工処置が必要となっていました。
しかしIOSはその部分を再スキャニングして合成することが可能です。多数歯の印象であっても完全な印象データを容易に得られることは大きなメリットです。

一方デメリットもあって、前述したように歯肉縁下の印象は得意ではありません。現在は部分的に従来のシリコン印象を用いて印象しています
このようにまだまだIOSは発展途上の機器ですが、今後歯科治療の形を変える大きな可能性のある治療です。当院でもIOSを積極的に用いて患者の皆様のお口にの健康に沽券したいと思っています!



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