IOS（Intraoral Scanner）が歯科治療をどう変えるのか？（前編）

IOS（Intraoral Scanner）が歯科治療をどう変えるのか？（前編）
はじめに
今まで歯科治療は補綴修復装置（差し歯、詰め物）の製作に当たって印象（型取り）という手法を使ってきた。今ではデジタル化の波が、モデルスキャナから始まり、口腔内スキャナ（IOS：Intraoral Scanner）が管理医療機器クラスⅡとして認可され、歯科メーカーが口腔内スキャナの販売を本格化させている。
注目が日に日に高まる口腔内スキャナを導入し、それを用いた歯科治療をスムーズに進める環境を整える必要があると考えます。実際には口腔内スキャナに多少なりとも不安があったとしても、遅かれ早かれ保険診療も含めた症例が、従来の印象からスキャンに変わることが増える事だろう。患者さんからのニーズも増えることが予想される。
口腔内スキャナのメリットやデメリットを紹介するとともにその手順も紹介していこうと思います。
IOSの特徴
光学印象スキャニングにより、従来の印象材の準備、トレーの盛り付け、印象操作、硬化時間などが不要になるため、短時間で簡単に印象が可能になり、術者及び患者の負担が大きく軽減される。
もちろん、実際にスキャニング操作が必要であり、口腔内でのスキャン経路、スキャンチップの当て方、作業環境、口腔内環境により印象精度歯変わるため、慣れやコツは必要である。
高精細画像を撮影する機能を搭載している。撮影した画像を３Dスキャニングデータ上に重ねて表示することができる。審美補綴装置を製作するための詳細情報が得られ、歯科技工士としては貴重な機能である。またマージンライン（歯牙辺縁）や周辺の歯肉の状態も高精度に認識することができ、歯科技工士に有効になってる。
もちろん高精細であることから、患者に対してのコミュニケーションツールに使う事もできる。
診療現場での工夫と注意点
支台歯形成（歯牙の形づくり）においては材料特性を考慮した形成を行うことは当然であるが、口腔内スキャナで精細に印象（撮影）できるための工夫が必要である。以下のポイントに注意する。
・隅角は鈍角
・マージンは極力縁上マージンとし、ディープシャンファー形態とする。チッピングするためにベベルは付与しない。またインレーの隣在歯マージンの設定も、ディープシャンファーが望ましい。加えてインレーの窩底部への移行部、隅角部は滑らかにする。
・縁下マージンで形成が行われている場合、止血処置とジンパックなどでマージン部の圧迫を行う
・従来の印象材を使用した場合より、より滑沢な方が精度がよく、適合に影響する。
・歯質の保存が可能であればできるだけメタルコアを除去しレジンコアとする。
従来の方法に比べて注意点もあるがIOSが歯科治療を一段上になる装置と思います。
ふかみスマイル歯科では積極的にIOSを使っていますので、興味ある人は問い合わせください。